組織でプロジェクトを行う場合、報告・連絡・相談は非常に大切だ。

地域おこし協力隊の取り組みについても同様である。

むしろ、事業の公共性や正確性という観点から、他の組織よりもその重要度は高い。

このほうれんそうを行う中で地域おこし協力隊本人が意識すべき点は、「言われる前に自分から行う」ということである。

行政担当者から「あの件について、どうなった?」と言われる前に、自ら報告・連絡・相談することが大切だ。

自分からのほうれんそうによる信頼関係をづくり

自らほうれんそうを行うことのメリットは数多くある。

その中で最も重要なものは、地域おこし協力隊と行政担当者との間で信頼関係を構築できるということ。

地域の外からきた地域おこし協力隊が何を考えて、どんな行動を取るのか。

行政担当者は固唾を飲んで見ている。

地域おこし協力隊の言葉や行動の1つ1つが、信頼に足る人物なのかどうかを見極める要素になっているのだ。

その時、地域おこし協力隊が自ら自分の考えや活動内容について言葉に出すということは、信頼関係づくりにおいて非常に大きくプラスに作用する。

「何でも自分から話をしてくれる」というのは、人に信頼を寄せるためのポイントであり、地域おこし協力隊と行政担当者との間の信頼関係の基礎になる。

日頃のほうれんそうで報告書を減らす

地域おこし協力隊自らが進んでほうれんそうすることによって、お互いの信頼関係を築く事は様々なメリットがある。

その1つが報告書の簡略化である。

そもそも報告書は地域おこし協力隊の活動内容をきちんと把握するために必要とされている場合が多い。

そのために、地域おこし協力隊には日々の取り組みや感想、今後の取り組み予定などを事細かく提出させられ、多くの時間を報告書の作成に割くことになる。

しかし、日頃から地域おこし協力隊が自身の考えや活動について、きちんと共有してくれる体制ができていれば、わざわざこうした報告書を作成する必要もなくなり、地域おこし協力隊はより多くの時間を自身の取り組みに割くことができる。

日々の進捗状況は、日々のコミュニケーションによって共有し、報告書は特段報告する事項がある時のみ。

お互いの信頼関係があれば、こうしたほうれんそう体制をつくることもできる。

自分の裁量が増える

自分からほうれんそうをきちんと行うことによって、自分の裁量を増やすこともできる

裁量とは、地域おこし協力隊が独自の判断で行動出来る範囲だ。

つまり、信頼されて、任されている分野と言い換えても良い。

すなわち、自身の裁量の大きさは自身を信頼していただいている大きさに比例する部分が多い。

日頃、自分からほうれんそうを行い、お互い良好な信頼関係を築けていれば、自身の裁量は増えていくだろう。

「これは君に任せる。何かあったらいつものようにしっかりとほうれんそうしてください」と行政担当者から言ってもらえることが多くなるのだ。

自身の裁量が増えるということは、自分のやりたいことに取り組めるチャンスが大きくなると考えて良い。

自分のやりたいことにチャレンジしながら、地域課題の解決に取り組む。

そして、それが自身の3年後の自立につながる。これ以上の事はないだろう。

こうした行政との信頼関係づくりを行うためにも、自身の考えや取り組みについては必ず自分から報告・連絡・相談することを心がけたい。