自分の幸せを忘れやすい地域おこし協力隊

地域おこし協力隊は「地域の幸せ」を追求するあまり、自分自身の幸せを見失ってしまいがちだ。

地域おこし協力隊は、基本的に非常に忙しい。自身の軸となる活動があるうえに、地域から様々な引き合いがある。

地域イベントへの招待やボランティア、時には行政のお手伝いをすることもある。

これだけでもプライベートな時間を大幅に削って地域協力活動に充てる必要があることがお分かりいただけるだろう。

さらに、地域協力活動は土日休日に行われることも多く、その場合、地域おこし協力隊は土日休日構わず活動せざるを得ない。

このように地域おこし協力隊は、平日でも休日でも自身の多くの時間を地域協力活動に割いている。

「地域おこし協力隊なんだから、地域協力活動に多くの時間を割くのは当たり前。」こうした指摘が聞こえてきそうだが、少し立ち止まって考えていただきたい。

地域おこし協力隊は、積極的に地域に関わりを持ち、地域住民1人1人の幸せ、ひいては地域全体の幸せを考える立場にあることはもちろんのことだが、地域おこし協力隊本人も1人の人間であり、地域住民の1人であるということを忘れてはならない。

地域おこし協力隊は地域協力活動に多くの時間を割く傍らで、自身の幸せやライフステージ向上を目的とした時間の使い方をすることはとても重要である。

自分の幸せが地域に広がって、地域の幸せに

日々、地域協力活動に忙殺されてしまい、自分の時間がほとんど取れないという協力隊も少なくないだろう。

そんな時こそ、一度立ち止まって、自分の幸せとは何かを改めて見つめなおしてほしい。

地域おこし協力隊はあくまでも通過点であり、その先の未来の希望こそが原動力である。

その未来に自身の幸せはあるのか、その未来にしっかりと歩みを進めているのか。

地域の事を優先するあまり、自分の幸せを後回しにしていないか。

地域おこし協力隊である前に、1人の人間としての幸せを追い求めるのは当然のことである。

さらにいうと、地域おこし協力隊本人の幸せが、地域に波及して地域自体が盛り上がることだってある。

地域協力活動が自身のライフワークであって、地域協力活動に従事しているときこそ、自分の幸せという方もいる。

地域おこし協力隊の素質として、これ以上ない感性の持ち主だと思う。

しかし、現実はそうした人ばかりではない。

地域協力活動だけでなく、しっかりとプライベートな時間も充実させてたいと思う人も多いだろう。

その場合は、しっかりと自分の欲求に素直になり、無理して地域協力活動に取り組むのではなく、プライベートな時間も充分に取りながら、協力隊としての活動と、自身の幸せ実現のための活動を平行して進めていただきたい。

くれぐれも自分の幸せを後回しにして地域に貢献しなくてはという使命感を原動力に行動しないようにしていただきたい。

地域おこし協力隊本人も地域住民の1人であり、その地域住民の1人1人の幸せこそが地域の幸せにつながるのである。